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設計士としての生き方

2019.06.09

竹原義二さんという建築家がいる

 

今から25年前

25歳の若造がある講演会で

勇気をもってした質問に対し

「それはあなたが本物を知らないからだ」

と言われ

とても恥ずかしい思いをしたことを

覚えている

 

今回、その竹原義二さんに

「素材と空間の美」

というテーマでお話を聞く機会を頂いた

 

素材の使い方、見せ方、美について

自分が多大なる影響を受けていることを

改めて確認できた

 

しかし、これらは枝葉であり

もっと大切なことを語ってくださった

 

建築は人間の寿命よりも長いことを考える

 

人の命を預かる、

人の財産をつくる、

だから安全でなければならない

 

大工の技術を活かしていないのではないか?

 

職人を殺してはいないか?

 

命を懸けて図面を書いているか?

 

職人の仕事を考えて設計する

 

 

そして今回も言われた

「ものを知らないからだ」

 

25年前に竹原義二さんから

私が頂いたのは

建築に携わる者としての生き方、

哲学だったのだと

改めて氣付かせていただいた

 

職人さんと子どもたちが触れ合う

夢の家フェスティバルをやっているのも

ここに原点があるのかもしれない

 

これらのことを

感謝の言葉と共に伝えさせていただいた

 

私の名刺を見られて

「未来美育」が事務所の名前か?

と聞かれた

「いえ、事務所のビジョンです」

とお答えしたら

「ええやん、うん、ええやん」

と言ってくださった

 

25年前のあの時の光景は

今でも忘れられない

多くの観衆の視線が

一斉に私に集まり

顔から火が出るほど

自分の無知さが恥ずかしく

早くこの場から逃げ出したい

と思った

 

しかし、あの時のお陰で

竹原義二さんのお陰で

今の私がある

 

25年経った今も

竹原義二さんは

変わらない哲学を持っておられた

 

また一つ自分に信念ができたIMG_0240[1]

 

大浦昌尚
株式会社アクアス

代表取締役
大浦昌尚 Masanao Ohura

大和の国に生を受け、とても明るい家族と周りの人と自然に育てられ、まじめで正義感が強いのは父譲り、面白く発想が豊かなのは母譲り、棟梁と指物師の両祖父の血を引き迷うことなく今の仕事に。 多くの人に助けていただき育てていただいた半生。これからご恩返しです。