acas社長 大浦昌尚ブログ

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カーテンが開いた 3

2019.11.14

夢の家フェスティバルの打ち上げを

47名が参加して開催した

 

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25年の年月が経とうが

「カーテンが開いた」に登場する職人たちと

同じ心意気の人たちがいることを

うれしく思う

 

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『カーテンが開いた』3

こいのぼりが春空に、あえいでいた。

兵庫県立こども病院の工事現場。

入院中の子どもたちのためにと、

高さ40メートルのクレーンにつるしたこいのぼり。

六甲おろしと浜風が、「こい」をからみつかせるのだ。

 

■子どもが喜んどる

毎日、クレーンに上ってこいのぼりを直すのが

鳶(とび)の安永政勝の日課になった。

「子どもが喜んどる。これはおれの仕事」。

そう思うと楽しかった。

こいは大丈夫やろか。

朝現場に来ると目は自然とクレーンにいった。

そんなころ、作業所長の関吉和明に電話が入った。

上品で落ち着いた声。

「こいのぼりを直しに上がってくれる作業員さんに、

子どもが手を振っています。

振り返してもらえないでしょうか」。

看護部長中田美代子(55)からだった。

 

■人間に振ってるんだ

関吉ははっとした。

そして気づいた。

「あの子らこいに手を振ってるんじゃない。

人間に振ってるんだ」と。

安永も手を振ってなかったわけではない。

広い病棟。視野に入らない時もあったのだ。

この後、安永は子どもたちの姿の確認を忘れなかった。

ゴールデンウィーク。

誰もいない現場に作業所の安達聡がいた。

こいのぼりが心配でぶらっと寄ったのだった。

案の定、からみついている。

1m63cm、80kg。

昔を思い出し初めてクレーンに上った。

連休明けの5月6日朝。

久しぶりに顔をそろえた男たちに

プレゼントが待っていた。

 

■窓に「ありがとう」

8時半の朝礼を終え関吉が現場内を回っていた時、

作業員の一人が指さした。

「所長、あれあれッ」。

病院5階の窓に10枚の紙がはられていた。

「こ・い・の・ぼ・り・あ・り・が・と・う」

子どもたちの気持ちを八木操(46)ら保母二人が

代筆したものだ。

涙もろい関吉は、顔を見られまいと、

うなずくように頭を下げた。

(敬称略) 1994年(平成6年)2月9日

 

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今自分たちが、子どもに関する建築に

かかわらせていただいていることも

うれしく思う

その一つの保育園の見学会を

17日に開催させていただく

すでに開園しているのを

特別に見学させていただける貴重な機会なので

よければ見ていただきたい

参加希望の方はご一報お待ちしています

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大浦昌尚
株式会社アクアス

代表取締役
大浦昌尚 Masanao Ohura

大和の国に生を受け、とても明るい家族と周りの人と自然に育てられ、まじめで正義感が強いのは父譲り、面白く発想が豊かなのは母譲り、棟梁と指物師の両祖父の血を引き迷うことなく今の仕事に。 多くの人に助けていただき育てていただいた半生。これからご恩返しです。