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アバター画像 二川 健一 Kenichi Futagawa

エキスパンションジョイント

2011.03.04

木曜日担当の二川です。

 

今、担当させて頂いている物件で、エキスパンションジョントカバーの納まりを検討しています。

エキスパンションジョイントカバーは構造的に分割するためのクリアランス(すきま)を

繋ぐように設けられた部材です。

普段はあまり目に留まるものではなく、ただ単に建物と建物を繋いでいるだけの部材

に見えますが、クリアランスの寸法、意匠性、水仕舞い、コストなど

留意すべき点がたくさんあります。

 

エキスパンションジョイントカバーは地震時の建物の動きに追従する機能があります。

部材の選定に当たっては、建物が地震時の揺れにより動く量を算出し、

エキスパンションジョイントカバーが脱落や破壊をしないよう、

その動きを適正に吸収する部材を選定します。

また、地震時だけでなく、温度差などによるコンクリートの膨張・収縮や

万が一の不同沈下などによっても脱落しない取り付け方なども

考慮する必要があります。

生命と財産に直結する部材と言えると思います。

 

意匠的な検討も非常に注意が必要です。

エキスパンションジョイントカバーはアルミ性かステンレス性の部材で、

タイル貼りなどの外壁部分には異種な部材であり、幅も数センチあるので、

外観意匠に多大な影響を与えます。

カバーに焼付けなどの塗装をすることや、

カバーではなく建物の動きに追従して伸び縮みする

たて格子などの手摺タイプの部材があります。

外観全体の構成やコストを鑑みて慎重に選定する必要があります。

 

今計画している物件で、17箇所にエキスパンションジョイントカバーを

取り付けることになりますが、参考にメーカーに設計上代価格を確認したところ、

総額で2千万円を超えるとのことでした。

改めてびっくりです。

 

エキスパンションジョイントは奥が深いです。

Profileプロフィール

アバター画像 関東エリアマネージャー 二川 健一
生まれも育ちも大阪市内。40代の娘二人を持つパパです。仕事・プライベートでの出来事において、建築・デザインに通ずることを自由にアップさせて頂きます。

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