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二川
健一
Kenichi Futagawa
建築業界に入って「そうだったのか」と思ったこと by二川
2012.07.13
木曜日担当の二川です。
街中でよく見かける頭の方が斜めにカットされたビルやマンション。
それは意図的なデザインではなく、建築基準法による斜線制限をクリアするために
仕方なく斜めカットされていたことを始めて知ったときは「そうっだのか」と思った。
日本に訪れたある海外の建築家が、あまりにその斜めカットが目に付くので
「これは日本の新しいモダンスタイルなのか」と尋ねたという話があるとか。
斜めカットはデザインとしての制約以外にも、居住性や工事費面でも
マイナス要素を含んでいて、何より景観を損ねる。
そんな中、平成14年の建築基準法改正に伴い「天空率」が導入された。
天空率は簡単に言うと、ある場所から空を見上げた場合に、建てようとする建物(計画建物)が
視界の中で占める割合と、斜線制限内に最大限の規模で建てたと仮定した建物(適合建物)の
占める割合を比べて計画建物の方が占める割合が少なければ良い、と言うもの。
天空率を利用すると、建物の頭を斜めカットする事なく建てる事が可能になった。
しかし、敷地の間口に対して目いっぱい建てる場合はあまり効果はないが・・・。
思えば、建築は「そうだったのか」の繰り返しである。
より深い「そうだったのか」を繰り返していきたいものだ。