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東西アス協組建築講演会 by二川

2014.10.31

二川です。

毎年恒例となっている東西アス協組建築講習会。
今年は建築家・手塚貴晴氏の公演を聞くことができた。

「人は建築の向こうに何を見るのか?」というテーマのもと、
有名な「屋根の家」や「ふじようちえん」を はじめ、
数々の作品のエピソードから裏話まで時間ぎりぎりまで惜しみ無く話を
されていたことに感動。

屋根の家は手掛けた物件の中で 一番小さくて、
一番低コストだったという。
お施主様とのファーストコンタクトでは
どんな部屋がほしいかではなく、
週末の過ごし方や昔どんな部活をしていたかを聞くという。

お客様目線で考える・・・
確かに要望通りの間取りやデザインを
追求することは立派なお客様目線だと思う。
しかし、手塚氏はお客様の遠い将来を見据え、
ストーリーを追求し、そして愛してもらえる建築を目指しているいう。
この作品を通して「建築はこちらから説明しなくちゃ
いけないものでは終わりだということを学んだ」という言葉は
衝撃的だった。

ふじようちえんを初めて建築雑誌で見た時、
ちょうど長女が幼稚園児のときで、
ここに通わせたいと思うくらい
インパクトのある作品だったので
鮮明に覚えていて、興味深い作品だった。

「子供の目線」、そして「子供の将来」を
とことん追求した作品だった。

特徴的なぐるぐると走り回れる円形の屋上。
子供は行き止まりの無い道を永遠と走り回るのが好きという
特性を生かし、心身共に豊かに育める環境を創出している。

そして、仕切りがほとんど無い平面計画。
当然隣のクラスの音や声は筒抜けで雑音だらけ。
しかし、人間にはある程度のノイズをキャンセルする
機能が本来備わっていて、雑音の中の方が逆に集中力が
増すという。
最近、子供は自分の部屋で勉強するよりも
リビングで勉強した方が成績がいいという
研究結果も出ていることにもつながる。

今回印象的だったのは手塚氏の
いい意味での「人間臭さ」。
デザインの美しさ、最先端の構造の探求、
緻密な音響・照明計画の追求も特筆するべきところ。
しかし、手塚氏の作品には、過去・現在・未来へとつながる
人の想いやストーリーが宿っている。

こちらから一方的に与えるのではなく、
人が愛して使ってもらう環境を創るのが
建築の醍醐味だと改めて考えさせて頂いた。

Profileプロフィール

アバター画像 関東エリアマネージャー 二川 健一
生まれも育ちも大阪市内。40代の娘二人を持つパパです。仕事・プライベートでの出来事において、建築・デザインに通ずることを自由にアップさせて頂きます。

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